月森紀子について|WOOD MOON
月森紀子

WOOD MOON代表
料理家、
野菜料理プロデューサー

月森紀子について

島根県生まれ。
幼少の頃から料理に興味を持ち、
高校卒業と同時に上京、六本木の日本料理店に入る。
自身のアレルギー体質がきっかけとなり、
食事と健康への関心が高まる。
後にマクロビオティックレストランに就職。
野菜が主体の新しい料理法に出会う。
野菜の可能性に触れ、野菜だけだからこそ出来る
さまざまな料理を生み出し、
斬新なアイディアと繊細な味付けが評判となる。
その後、オーガニックレストランでのシェフを経て、 2007年に独立。
東京・目黒にWOOD MOONをオープン。
2012年、故郷の島根県邑南町に移転。
菓子工房としてリニューアル、100%植物性の厳選素材で作る身体に優しいスイーツを作る傍ら、料理教室なども主催。
2019年1月、山口県・萩市に工房移転。
現在は萩市に拠点を移し活動中。
イベント主催、カフェのメニュー監修、シェフ育成等にも携わる。
著書多数「野菜と玄米」「玄米ごはん」「月森紀子のナチュラルスイーツ」「玄米汁菜」「玄米ごはん」(以上、講談社)
野菜ごはん(文化出版局)

月森紀子の著作

料理と私
月森紀子

私、月森紀子は、
料理の世界に入り、20年以上が経ちました。
島根県の山の中で育った私は料理好きな子供で、
家で料理本を見てはワクワクする日々を過ごしていました。
作る事が何よりの楽しみで、作った料理を友達に披露したり、
みんなで一緒に作ったりして楽しんでいました。


この頃から無意識に、人に喜んでもらう手段として
「料理」を選んでいたのです。
家族が帰って来るまでに夕食を作って驚かせよう!
というように、私が料理を作る原動力は
「喜び」と「サプライズ」を与える事でした。


実はそれは今でも全く変わってなくて、
食べてもらう人をモデルに、ピン!と来る料理、
イメージされる料理を楽しみながら作っています。
そこにはいつも、幼少の時と同じワクワク感があるのです。

子供の頃からこんな私だったので、
料理の世界に入るのはとても自然なことでした。

近所の風景

18歳で、東京 六本木にある日本料理店に入ります。
繊細な日本料理の技術、効率の良い仕込み方、
盛り付けのセンスなど、仕事としての料理の
基本的な事はこの6年間に学びました。


今振り返ってみると、料理を通して
料理以外のことも本当にたくさん
勉強させていただいた大切な時期でした。


一方でこの頃は、アレルギー体質に悩まされていて、
だんだん食事と身体の健康について
深く追求するようになりはじめた時期でもあります。

かつらむき
出汁をとる

料理人としての転機

26歳の時にマクロビオティックレストランに就職しました。
限られた食材で作るマクロビオティックという料理法との出会いは、
私に新たなテーマを与え、料理の可能性を拡げ、方向付けもしてくれた、
ターニングポイントとなる出来事でした。


とにかく美味しいものが作りたい私は、
今まで当たり前のように使っていた動物性食品を使わず、
野菜を中心に料理を作り始めます。

新しい調理法、いろんな食材と食材の組み合わせを試行錯誤するうちに、
自然と素材と向き合う姿勢が身に付き、
今まで知らなかった料理の可能性を知る事が出来ました。

たかきびのハンバーグ

不思議なもので料理とは使えるものを限られれば限られる程、
無限に拡がって行くものなのですね。
有機野菜をメインに使う、野菜が主役の料理を日々つくり続ける中で、
野菜の奥深さを知り、野菜の可能性は本当に凄いと驚愕しました。
そして野菜の虜になったのです。


働きながらマクロビオティックの食事を実践しているうちに、
いつのまにか喘息も良くなり、体質も改善されて行きました。


2013年、故郷の島根県に移り、
実際に畑の野菜に触れる機会が増えました。

WOODMOONの外観
WOODMOONの畑

愛情をいっぱいもらって畑ですくすく育った野菜たちを料理しているうちに、
野菜の声を聞いて、野菜に従うように料理を作るようになっていきました。
東京で料理に携わっていた時は、
自分が野菜をコントロールしようとしていた事に気付いたのです。

料理風景

今は野菜に触れると自然と野菜が教えてくれるかのように料理がイメージされます。
それは、季節の野菜の特徴やそれぞれの野菜の性格、食べてくれる人、
今日の天候、などを全て自分の感覚を通して感じながら、
その時ベストな料理が浮かんで来るのです。
最初にレシピありきではなく、包丁を入れた時の感覚、
「野菜の気持ち」に導かれるように調理をしていく、、
料理人として次のステージに立ったのだと思います。

素材への慈しみ

料理人として、全てのものを生かして行くことが、
自分の使命だと感じています。

だいこん

肉も魚も野菜も命をいただく事に変わりはありません。
大切に育てられた食材は、料理になる時が「晴れ舞台」なのです。
私と縁のある食材は最高の状態にしてあげたいと思います。

最高に美味しく、最高に美しく、
そして出来上がったその料理を喜んで食してくれた人は、
その命を活力源に、周りのたくさんの人に貢献して行くのですから。

そうやって命は繋がって行き、
生かされ続けていくものだと思います。
だから「料理」をする、という事は、素材を、命を慈しむ事。
そして、「感謝」を教えていただけるとても尊いものだと感じています。

これからも感謝とともに厨房に立ち、
「料理」を通して成長して行きたいと思っています。


月森紀子

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